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おおしろ教授の世界古代遺跡探訪⑦【メイル編】

大城 道則

今回は、エジプト好きでもなかなか行かない、少しマニアックな遺跡を紹介します。中部エジプトにある岩窟墓群、メイル(メイールとも呼ばれます)です。カイロとルクソールの間、中部エジプト最大級の都市アシュートからタクシーで向かうような場所で、観光ルートからは外れていますが、壁画好きにはたまらない遺跡です。

崖に並ぶ地方支配者たちの墓

ナイルの緑地帯を離れて砂の世界を進むと、崖の斜面に階段と入口が整備された岩窟墓群が見えてきます。ここに葬られたのは、古王国時代から中王国時代にかけてこの地域を治めた支配者たち。ペピアンクやウクホテプといった名前が知られています。およそ100年前に最初の本格調査が行われ、その後も断続的に調査が続いてきました。崖のあちこちにはまだ砂に埋もれた穴も見えていて、歩いていると動物の骨のかけらに出くわすこともあります。地元の子どもたちの遠足先にもなっているというのが、いかにもエジプトらしいところです。

4000年前の彩色が残る壁画

墓の内部には、牛やヤギを捧げる場面など、当時の生活を伝えるレリーフと壁画が残っています。古王国時代のものと思われる壁画の彩色の残りは、この時代のものとしてはかなり良好です。興味深いのは、背景を青くベタ塗りした壁画があること。天井画のエジプシャンブルーは珍しくありませんが、通常の場面の背景が青いのはあまり見ない表現で、変色なのか意図的なのか、考えはじめると止まりません。この地域はハトホル女神の信仰が強かった土地でもあり、壁画の題材との関係も気になるところです。

王家の谷やギザとは環境がまったく違う中部エジプトの遺跡は、壁画の保存を考えるうえでも貴重な事例です。派手さはありませんが、「誰も見ていないエジプト」を体感できる場所として、ぜひ記憶にとどめてください。詳しくは動画でご覧ください。

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