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アブシンベル神殿百景㉖

大城 道則

今回は「アブシンベル神殿百景」と題して、いつもとは違う角度からこの大神殿を楽しみます。ツアーに同行して、昼、夜、そして早朝と、なんと3回もアブシンベルに通いました。ほとんど住んでいたようなものです。

湖の上から神殿を見る

まず新鮮だったのが、ナセル湖の船上から神殿を眺める体験です。調査で来るときは絶対にやらない見方で、私も初めてでした。湖面越しに、岩山に刻まれたラムセス2世の巨像がゆっくり近づいてくる。風は強かったものの、遠くから神殿全体を「風景」として味わえる、じつに贅沢な時間でした。昼の神殿内部は、敵を打つファラオ、ハトホル女神と、ラムセス2世の世界が全開です。

夜のショーと、年2回の朝日

夜はライトアップされた神殿を背景に、音と光のショーが開かれます。神殿の壁面に戦いの場面やラムセス2世の物語が映し出される、ちょっとしたアトラクション。仕事で来るとこの時間は寝ているか移動しているかなので、これも観光客の特権です。

そして今回の本命が早朝。年に2回、2月22日と10月22日の前後だけ、昇る朝日が神殿の奥まで一直線に差し込み、至聖所の神像を照らします。朝5時から並びましたが、深夜1時半から待つ人もいたとか。堂内では「電気を消せ!」と各国語の大合唱が起こる混雑ぶりでしたが、扉の奥へ光が届いた瞬間は、やはり感動的でした。テレビや本で何度も見た場面に自分の身を置く。この体験のためなら早起きの価値はあります。詳しくは動画でご覧ください。

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