今回はデンデラのハトホル神殿から、ちょっと愉快なテーマをお届けします。「オーパーツ」として昔から有名な、あのレリーフに会いに行ってきました。デンデラはルクソールから車で1時間弱。巨大で保存状態がよく、彩色も美しく残る神殿ですが、今日は全体像ではなく、地下に眠るお目当てのレリーフに絞って紹介します。
「古代の電球」の正体
神殿の地下通路の壁に、巨大な電球そっくりのものが彫られています。ふくらんだガラス球の中にフィラメントのようなものが見える。「古代エジプト人は電気を知っていたのではないか」と、私が小学生の頃からオカルト雑誌をにぎわせてきた有名なレリーフです。もちろん、そのわけはありません。よく見ると「フィラメント」の先端は蛇の頭。つまりこれは電球ではなく、蛇の神にまつわる宗教的な表現だと考えられています。ただし、正確に何を表しているのかは、じつはよく分かっていません。すぐに突飛な説へ飛びつくのではなく、「では何なのか」を考え続ける。ここが古代史や考古学の面白いところです。
地下通路にもぐる楽しみ
このレリーフを見るには、狭い入口から身をかがめて地下へ降りていく必要があります。エジプトの神殿には、壁の途中に隠し扉のような入口があったり、行き止まりの小部屋(おそらく収納庫)があったりと、探検心をくすぐる仕掛けがいっぱいです。石の冷たさ、空気の匂い、暗がりの感覚。こればかりは動画では伝わりません。ゼミの学生たちと潜り込みましたが、皆いい顔をしていました。昔、雑誌で見たものが目の前にある。この感動のために、旅はあるのだと思います。デンデラに行かれたら、ぜひ地下まで降りてみてください。詳しくは動画でご覧ください。
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