アマルナ編の続きとして、今回は「境界碑(バウンダリー・ステラ)」まで登った話です。アクエンアテンが築いた都アケトアテンは、崖とナイルに囲まれた土地に計画されました。王はその都の範囲を宣言するために、周囲の崖に巨大な碑文を刻ませたのです。
崖に刻まれた都の「境界線」
境界碑は全部で14か所ほど確認されています。日本の磨崖仏のように、崖の岩肌を直接彫り込んで作られていて、碑文の下には王と家族の彫像も添えられています。内容は、アテン神を讃え、王がこの地に都を定めたことを記すもの。治世5年に建てられたことを示す記述もあり、都の建設過程を知る一級の史料です。今回見に行ったのは、その中でも保存状態のよいもののひとつでした。
階段ができていました
境界碑までは坂道をひたすら登ります。私が何十年か前に初めて来たときは階段などなく、砂の斜面を必死によじ登った記憶がありますが、いまはきちんとした階段が整備されていました。「登ってください」と言わんばかりです。それでも暑い中の登りはなかなかこたえます。先頭を行く学生はフードをかぶり、みんな汗だくで登り切りました。眼下に広がるのは、かつて都があった何もない平原。この景色を王も見たのだろうかと想像すると、登った疲れも報われます。
アマルナは遠く、普通のツアーではまず来られない場所ですが、若くて時間があるなら、1か月かけてナイルを上から下までたどる旅の途中に、ぜひ組み込んでほしい場所です。私も10代の終わりに1人でエジプトを1か月放浪しました。あの頃の体力だけは、いまも返してほしいと思っています。詳しくは動画でご覧ください。
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