今回はダハシュールの屈折ピラミッドです。カイロからギザ、サッカラと南下した先にあるダハシュールには、スネフェル王が建てた2基の巨大ピラミッド、赤ピラミッドと屈折ピラミッドが並んでいます。エジプトが2回目、3回目という方や、ピラミッド好きにはたまらない場所です。
なぜ「屈折」しているのか
このピラミッドは、途中で傾斜角がガクッと変わる独特のフォルムから、英語でベント・ピラミッドと呼ばれます。なぜ屈折しているのか。よく言われる説は3つあります。第一に、最初の角度が急すぎて崩壊の恐れが出たため途中で緩やかにした説。第二に、王の死期が迫り工期を短縮した説。そして第三に、最初からこの形で設計されていたという説です。私は第三の説、つまり「設計どおり」だと考えています。当時の建築家たちは名人揃い。きちんと計画を立てて作ったはずだと思うのです。証明はまだできていませんが、こういう謎を考えること自体が学問の楽しみです。
入るなら覚悟を
内部は複雑な構造で、狭い通路を降りて、登って、また登る。正直に言って、エジプトのピラミッドの中でも屈指の過酷さです。私自身、何度も訪れていますが中に入るのは3回に1回ほど。今回もゼミの学生たちが入り、出てきたときには全員が汗と疲労でいっぱいいっぱいの顔をしていました。それでも全員「入ってよかった」と言います。「屈折ピラミッドの中に入ったことがある」と言える日本人はそう多くありません。外側では、4500年前のオリジナルの化粧石が驚くほどきれいに残っている姿も必見です。一生に一度の勲章として、ぜひ挑戦してみてください。詳しくは動画でご覧ください。
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